株式会社クリエイト・ツルモト


建築現場の環境整備に快適と清潔を届ける!

  • 2011年10月17日(月) 18:37 JST
  • 投稿者:
    matsumoto

クリエイトツルモト


30年以上前、株式会社クリエイト・ツルモト(現:株式会社ケイトップ)が開発した高層建築現場用「スカイトイレ」は、日本の高度成長期における建設ラッシュの現場には欠かせないものでした。しかし時代も変わり景気が低迷するいま、仮設トイレを用を足すだけのものではなく「建築現場の環境整備に快適と清潔を届ける!」という原点に立ち返り、労働環境の整備に貢献できるような新スカイトイレの意匠からデリバリーいたるまでのリデザインが進行中です。

クリエイトツルモト(コーディネーター)
高層の建築現場に仮設トイレのレンタルを始められたのはいつ頃からですか。

(株式会社クリエイト・ツルモト(現:株式会社ケイトップ)鶴元久也)
高度成長期の真っただ中、大阪万博が開催された昭和45年に創業しました。私は先代から事業を引き継いで10年目になります。 先代は当初、建築現場の産業廃棄物の収集処理を行っていました。そんな現場を回っている際、当時の建築現場には仮設トイレが常備されていること少なく、職人達はしかたなく現場の周辺で用を足しているのをよく見ていたそうです。現場はとても不衛生な状態で、先代はこの仕事は伸びると確信、朝顔とタンクの金型を起こしもらい高層建築現場用の「スカイトイレ」を開発、一千台を生産してレンタル業を始めました。

(コーディネーター)
高層現場用の仮設トイレとしてはシェアを独占されていたのですか。

(クリエイト・ツルモト(現:株式会社ケイトップ)鶴元)
小型の小便タイプでは弊社のスカイトイレしかなく、バブル頃までは言い値で納めていました。しかしバブルがはじけてからは、現場数が半分となり受注競争はさらに厳しくなり、いまや単価の下げ合いとなっています。

(コーディネーター)
今回はどのような目的で、おおさか地域創造ファンド(重点プロジェクト)「デザインプロデュース型商品開発促進事業」に応募されたのですか。

(クリエイト・ツルモト(現:株式会社ケイトップ)鶴元)
保存状態にもよりますが仮設トイレは寿命が長く、スカイトイレも先代が製造したものが未だ現役で活躍しています。先程お話しました様に、高層用の小便タイプは業界の中でもスカイトイレしかありません、しかし営業先では最近「こういうトイレしかないのか」とよく言われます。

現場の職人が用を足すものなのでグレード感は不要でしょうが、私自身もこれを使い続けるのはどうかと思っておりました。高度成長期からバブルにかけての建築ラッシュの時代には、用を足すことができればそれでよかったのでしょうが、今の時代やはり仮設トイレであっても常に現場の方々に衛生的で快適な環境をお届けするのが弊社の使命だと感じています。

今回のプロジェクトでは、現在のスカイトイレが30年以上たっていますので、次の30年を見越した時代を切り開く新しいスカイトイレを提供したいと考えています。

(コーディネーター)
今回、プロデューサーとしてこのプロジェクトの舵取りをされる株式会社ソリデックの大内田さんはこのお話を聞いてどのように思われましたか。

(大内田)
鶴元さんからお話をいただいたのは昨年の12月でした。鉄骨フレームに機能のみが集約されているとても野性的なデザインというのが、スカイトイレを拝見したときの率直な僕の印象でした。正直、30年もの間よく使われてこられたなと思います。

(コーディネーター)
仮設トイレというものをこれまで手掛けてこられた経験はありますか。

山納さん松本さん

(大内田)
いいえ、これまで手掛けたことはありません。 ただ、僕自身の仕事も広範囲に渡っていまして、例えば切符の券売機、自動改札機、ATMから、大型の産業機器や癌治療器、吸入器などの医療機器、その他マッサージチェア、生活雑貨まで様々なものを企業様から委託され、35年間デザインしています。

今回はスカイトイレのリニューアルということでお話をお聞きしたのですが、 トイレは絶対に私達がお世話になるものです。仮設トイレというものはほとんどデザイナーは手をつけてこなかったのではないでしょうか。どうせやるのなら単に仮設トイレを斬新にするのではなく「汚い・臭い・不快」という現場での一番の問題点を解消できるモノとしての仮設トイレではなく、清潔に排泄ができる行為として快適さを極めた仮設トイレを開発したいと鶴元さんにもお伝えしました。

スカイトイレのリニューアルはあくまできっかけであって、経営戦略、事業戦略を踏まえ、10年、20年後にどのような会社でありたいのかというビジョンを描いた上での商品戦略を考えていくべきだと思っています。クリエイトツルモト(現:株式会社ケイトップ)をスカイトイレだけで終わらせない戦略が必要だと考えます。

(取材日:2011.9.22)

(次回につづく)

クリエイト・ツルモトの「ツボ」

山納さん・同社は、レンタル事業をしていることで、お客さんのニーズを日々直接聞くことができます。

・情報収集、現場調査をまず行い、そこから課題を抽出するという正攻法です。

・30年前に開発され、いまだに稼動している「スカイトイレ」を開発した先代の卓見にも注目。


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