さて今回は、デザイナーの言うことを“うのみ”にしてしまう残念サンです。
確かに、製品だけではなく社内環境からデザインするという方法論は、クリエイティブ環境の創出やブランド構築という観点からは、正鵠を射ているかも知れません。が、その投資は、あくまでの企業の体力に見合ったものであるべきでしょう。そして研究開発、生産設備、人材育成、福利厚生、広報宣伝といった投資ポートフォリオの中で、デザイン要素にどれだけ投じるべきかという判断が必要です。
ただ、今回の残念サンが一番“残念”なのは、プロジェクトの一切を「先生まかせ」にしてしまっていることです。
外部のデザイナー・プロデューサーへの依頼は、医者にかかる行為に似ています。自分よりも知識や経験が豊富な専門家を前にして、彼が言っていることが正しいか、また正しいとしても、その処方箋は自社に合っているのかを見極めるのは、とても難しいことです。
中小製造業の社長さんの中には、デザインに対する苦手意識を強く持っている人も多いのですが、そうした人が「ボクに任せておけばすべて大丈夫」というタイプのデザイナーと出会った時に、大船に乗った気持ちになり、そこから先、自分で判断しなくなってしまうことがあります。
市場を知り、お客さんが求めているものを提供する。この当たり前のプロセスを、人まかせにしないことが、デザインプロデュースの第一歩といえます。
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