突然ですが、残念サンは全20話を予定しています。そして今回の第10話は、ちょうど折り返し点に当たります。
名前が「残念サン」だけに、主人公は失敗を繰り返すことを宿命づけられているのですが、たまには成功する残念サンを登場させてみようと、今回のような話になりました。
そして今さらですが、ここで残念サンの基本プロフィールについてご紹介いたします。
残念サンの主人公は、金型を作っている町工場の社長、残念スギル氏(55)。彼の父親は産地と呼ばれる地に創業し、その後都市近郊に金型工場を構えました。そして産地の工場はお兄さんが継ぎ、金型工場を残念サンが継いでいます。
父の代には高度成長期を、本人もバブル期の好景気を経験しており、注文が途切れず、作れば売れる時代の恩恵に浴してきました。その後大手メーカーの生産拠点の海外移転、バブル以降の不況などで受注を減らし、徐々にジリ貧状況に向かっているのですが、これまでは頭のチューリップが象徴する能天気さで乗り切ってきました。
製造にかけては抜群の技術とノウハウを持っていますが、何を作ったら売れるのかが分からない時代の到来に、戸惑っているというのが現状です。
初めのうちは思いつきで商品を作ったり、デザイナーにうまくイメージを伝えられなかったり、デザイナー任せにしてしまったりしたため、失敗を繰り返してきた残念サンですが、何を作ったらいいかが定まれば、ものづくりはお手のもので、そこにはプライドもあります。何度失敗を繰り返したとしても、諦めることさえなければ、いずれは女神が微笑んでくれるでしょう。
今回の残念サンは、汗と涙の末に、みごと商品開発を果たします。ただ下戸ゆえに、勝利の美酒に酔うことはできなかったワケですが・・・
次回からスタートする後半では、苦心の末に作り上げた商品を市場に届ける際に起こる“残念”に注目していきます。残念エピソードは続きますが、彼のプロデュースレベルは徐々に向上していきます。そのあたりも含めて、お楽しみください!
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