さて、今回の残念サンは、どこがどう残念なのでしょうか?
少なくとも、100円の商品を50個売るのに社員が何人も動いている時点で、商売にはなっていな
いということは、お分かりいただけるかと思います。
残念サンたちの会社は、普段は下請け仕事をしていますが、自社商品を開発して市場に売って
いこうとしています。つまりはメーカーであり、サプライチェーンの中では川上のポジションに
あります。
普段は工場の中で働いているメーカーの人たちにとって、販売の現場に身を置き、お客さんと
じかにすることは、いろいろな発見や気づきが得られる貴重な機会です。そこで得た情報を商品
開発に反映させることを、コンサルの先生も期待しているわけです。
それがフェアの現場での高揚感に包まれている間に、全国フェアに打って出ること、すなわち
小売(川下)進出が目的に変わってしまっているあたりが“残念”なのです。
商品開発を行うメーカーは、基本的には展示会などに出展し、卸・小売のバイヤーとの商談(
B to B)を通じて商流を構築していきます。一般消費者向けの販売(B to C)に進出するために
は、大量の商品を売れるショップを持ち、販売スタッフを置き、クレーム対応を含めたアフター
サービス機能を持つ必要がありますが、そこまでの準備がないのであれば、川上ポジションに留
まる方が無難です。
付加価値の高い製品やワンオフ商品を開発してみずから売っていく、という選択肢もないわけ
ではありませんが。フェアへの出店はあくまでもテストマーケティングと捉え、メインの商流は
卸・小売と連携して作っていくというのが基本です。このことは、ぜひお忘れなきように。
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