残念サンの会社は、デザイン賞をもらうまでに発展しています。このあたりまで来ると、デザ
インプロデュース成功!と思えてしまうのですが、商品の売れ行きは、はかばかしくはないよう
ですね。
“デザインを活用した製品の高付加価値化”などとよく言われます。ともすると思考停止を招
きそうなこの物言いに、今一度注目してみましょう。
中小企業が外部デザイナーに開発を依頼すると、デザイン料が発生します。小ロットでの開発
だと、原価は割高になります。そのため、新たにできる製品の単価は、どうしても高くなります。
ここまでは「あたりまえ体操」です。
ただ、「これだけかかったんだから、いくらにしないと合わないよ!」という作り手の論理で
価格を設定してしまうのは、とても危険です。
製品の価格を上げると、ターゲット層が変わります。そして高付加価値化を進めるほど、自身
のユーザー感覚が活かせなくなります。名刺入れに3万円かける人、果物入れに5万円かける人、
カバンに10万円かける人は、一体どんな人たちで、どんなものに囲まれていて、どんな生活を
しているのか?そしてそんな彼らが“欲しい!”と思う製品はどんな形や機能や風合いを持って
いるのか?そういった感受性を、高めていく必要があるのです。
賞をもらったり、メディアで取り上げられたりすると、それでゴールインだと錯覚を起こして
しまいがちです…が、受賞は販売価格とは関係がありません。どうすれば商品の良さを、ターゲッ
トとなる層に訴求し、購入してもらえるのか、正念場はここからなのです。
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